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非常用電源の導入で使える補助金情報|対象施設や機器・補助額の情報

国や自治体では非常用電源設備の導入を支援する補助金制度が用意されています。災害に備えて非常用電源の導入をお考えの場合、施設の防災対策強化とコスト削減の両立が可能です。

本記事では、非常用電源導入に活用できる補助金の概要や申請方法を詳しく解説します。令和6年度の補助金は終了しているものも多くなっていますが、申請期限が12月下旬までの補助金や、補正予算・来年度の情報をチェックしておきたい補助金についてもご紹介します。

【自治体の補助金】東京都「社会福祉施設等への非常用電源等整備促進事業補助金」の情報

懐中電灯

東京都では、社会福祉施設等における災害時の事業継続性を高めるため「社会福祉施設等への非常用電源等整備促進事業補助金」制度を設けています。

この補助金は、非常用電源等を導入する社会福祉施設等に対し、電源設備、機器等の購入に要する経費や工事費用を補助することで、災害時にも施設機能を維持し、利用者の安全確保を図ることが目的です。

まずは「社会福祉施設等への非常用電源等整備促進事業補助金」の大まかな情報を、以下の表にまとめました。

項目内容
補助金名社会福祉施設等への非常用電源等整備促進事業補助金
自治体東京都
対象施設・都知事または都内区市町村長の指定等を受けた全ての社会福祉施設等

・なおかつ、実績報告時までにBCP(事業継続計画)を策定している施設

対象機器非常用電源設備、外部給電器、V2H、可搬型蓄電池、車両接続型電源、外部電源接続切替盤
補助率対象経費の4分の3
補助上限額機器により異なる(最大5,000千円)
申請期限第1回:令和6年6月28日(金)に終了

第2回:令和6年12月下旬予定(令和6年11月中旬から申請受付開始予定

(参考※1)

それぞれの項目の詳細は、以下で解説します。

対象施設

補助金の対象となる施設は、入所・通所・訪問・相談系などのサービスを実施し、都知事または都内区市町村長の指定等を受けている全ての社会福祉施設等です。

ただし、事業の実績報告を行う時点までに、BCP((Business Continuity Plan / 事業継続計画のこと)を策定していることが条件となります。

社会福祉施設の具体的な対象分野は、高齢・障害・子供・生活福祉となっており、対象施設の詳細は以下のとおりです。

【高齢分野】(参考※2)

入所特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、認知症高齢者グループホーム、有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホームなど
通所老人デイサービス、認知症対応型デイサービス、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、通所リハビリテーションなど
訪問訪問介護ステーション、訪問リハビリテーション、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所など
相談介護予防拠点、地域包括センター、生活支援ハウス、老人福祉センター、老人介護支援センターなど

【障害分野】(参考※3)

入所障害者支援施設、福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設、共同生活援助、短期入所、都外施設など
通所生活介護、宿泊型自立訓練、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労定着支援、児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援など
訪問居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援など
相談自立生活援助、計画相談支援、地域相談支援、障害児相談支援など
そのほか補装具製作施設、盲導犬訓練施設、点字図書館、聴覚障害者情報提供施設、福祉ホーム、地域活動支援センター、身体障害者福祉センター、盲人ホームなど

【子供分野】(参考※4)

入所乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、女性自立支援施設、児童自立生活援助事業所(Ⅲ型を除く)、小規模住居型児童養育事業所、女性相談支援センター一時保護施設、児童相談所一時保護所、助産施設(第1種・第2種)、産後ケア事業、妊産婦等生活援助事業、子育て短期支援事業など
通所認可保育所、認定こども園、家庭的保育事業、小規模保育事業、事業所内保育事業、認証保育所、家庭的保育事業(都制度)、認可外保育施設、一時預かり事業、定期利用保育事業、

病児保育事業、多様な他者との関わりの機会の創出事業、児童厚生施設(児童館)、学童クラブ、子供食堂、子供の居場所創設事業、児童育成支援拠点事業など

訪問居宅訪問型保育事業、認可外の居宅訪問型保育事業、子供家庭支援センターなど
相談児童相談所、産前・産後サポート事業、こども家庭センター、地域子育て支援拠点事業所、利用者支援事業実施施設など

※それぞれの施設につき、指定の法律に基づく施設であること。

【生活福祉分野】(参考※5)

入所救護施設、更生施設、宿所提供施設、無料低額宿泊所など

対象機器・補助額

本補助金における対象機器や補助基準額・補助率・補助対象経費について、以下の表にまとめました。

補助対象機器補助基準額補助率補助対象経費
非常用電源設備(5,000千円未満の機器に限る)5,000千円

(500万円)

4分の3本体の機器費及び設置に係る工事費
外部給電器800千円

( 80万円)

4分の3本体の購入に要する費用
V2H1,300千円

(130万円)

4分の3本体の機器費及び設置に係る工事費
可搬型蓄電池400千円

(40万円)

4分の3本体の購入に要する費用
車両接続型電源250千円

(25万円)

4分の3本体の購入に要する費用
外部電源接続切替盤500千円
(50万円)
4分の3本体の機器費及び設置に係る工事費
外部給電器+外部電源接続切替盤1,300千円
(130万円)
4分の3本体の機器費及び設置に係る工事費
車両接続型電源+外部電源接続切替盤750千円

(75万円)

4分の3本体の機器費及び設置に係る工事費

それぞれの機器における定義(引用※1)は、以下のとおりです。

  • 外部給電器:電気自動車及びプラグインハイブリッド自動車に搭載された電池に充電された電気を取り出し、電気自動車及びプラグインハイブリッド自動車の外部へ給電する機能を有する機器(V2Hを除く。)
  • V2H:電気自動車及びプラグインハイブリッド自動車に搭載された電池から電力を給電するための直流・交流変換回路をもつ充電設備で、充電コネクター、ケーブルその他の装備一式を備えたもの
  • 可搬型蓄電池:持ち運びが可能で、繰り返しの充電・放電が可能な蓄電池
  • 車両接続型電源:ガソリン乗用車のバッテリーから電気を取り出し、ガソリン乗用車の外部へ給電する機能を有する機器
  • 外部電源接続切替盤:電気自動車及びプラグインハイブリッド自動車と外部給電器、ガソリン車のバッテリーと車両接続型電源を介した電源を、建物へ供給する役割を果たす機器

補助は1施設につき1回限りとなります。

申請期限 / スケジュール

第1回申請期限:令和6年6月28日(金)→終了

第2回申請期限:令和6年11月中旬~12月下旬予定

申請手続き方法

「社会福祉施設等への非常用電源等整備促進事業補助金」の申請には、交付申請と実績報告が必要になります。

それぞれの進め方については、以下のとおりです。

交付申請の進め方

交付申請は、4つのステップで申請を進めます。

  • 【ステップ1】社会福祉施設等への非常用電源等の整備促進事業補助金のサイトから、それぞれの分野の申請様式(Excelファイル)をダウンロード
  • 【ステップ2】交付申請書類に必要事項を入力
  • 【ステップ3】交付申請フォームを開く
  • 【ステップ4】交付申請フォーム内の各必要事項を入力し、交付申請書類ファイルを添付して送信

交付申請書類の確認が完了したのち、事務局からメールでその旨をご連絡いただけます。メールが届いたのち、捺印した交付申請書類と申請事業者の印鑑証明書を、郵送で提出します。

実績報告の進め方

実績報告は、4つのステップで進めます。

  • 【ステップ1】交付申請で使用したExcelファイルを準備
  • 【ステップ2】実績報告書類に必要事項を入力
  • 【ステップ3】実績報告フォームを開く
  • 【ステップ4】実績報告フォーム内の各必要事項を入力し、実績報告書類ファイルを添付して送信

交付申請書類の確認が完了したのち、事務局からメールでその旨をご連絡いただけます。メールが届いたのち、捺印した実績報告書類を郵送で提出します。

申請と実績報告に必要な書類

「社会福祉施設等への非常用電源等整備促進事業補助金」の申請と実績報告の際に必要となる書類は、以下のとおりです。

【交付申請で必要な書類】

  • 基本情報シート
  • (1)所要額調書・積算内訳書・BCP策定状況
  • 歳入歳出予算書

【実績報告で必要な書類】

  • (1)実績額調書等
  • 歳入歳出決算書
  • 【印】口座振替依頼書

【そのほか】

  • 申請事業者(運営法人等)の印鑑証明書

3つの注目ポイント|社会福祉施設等への非常用電源等整備促進事業補助金

電球マークが描かれた家のおもちゃと人形

東京都が実施している「社会福祉施設等への非常用電源等整備促進事業補助金」では、3つの注目ポイントがあります。

  • すでに設置されている機器や設備も補助対象になる
  • 同一事業種別・異なる事業種別のどちらでも、施設ごとに申請できる
  • 令和6年12月下旬(予定)が申請受付期限である

非常用電源の補助金を検討している事業者さまにとって、知っておけば大きなメリットになるポイントです。詳しく見ていきましょう。

すでに設置されている機器や設備も補助対象になる

設備関係の補助金では、申請時点でまだ対象設備などを設置していないことが要件に挙げられることが多くなっています。

しかし「社会福祉施設等への非常用電源等整備促進事業補助金」では、すでに設置されている機器や設備も補助の対象です。

令和6年4月1日から令和7年3月31日までに購入、設置された対象機器や設備は補助対象となり、補助金の申請が可能です。

同一事業種別・異なる事業種別のどちらでも、施設ごとに申請できる

「社会福祉施設等への非常用電源等整備促進事業補助金」は、1法人で複数施設を運営する場合、同一事業種別(例:複数のグループホーム)でも、異なる事業種別(例:特養と訪問介護)でも、各施設で申請可能です。

同一の施設が複数の種別(入所系・通所系施設など)に該当する場合は、どちらか1つの種別のみが申請対象となりますが、複数施設を運営している場合はどちらの施設も申請できる点は有効活用しましょう。

令和6年12月下旬(予定)が申請受付期限である

年度はじめ前後から始まり8月ごろには終了となる補助金も多い中で「社会福祉施設等への非常用電源等整備促進事業補助金」は第2回の申請受付期限が令和6年12月下旬(予定)となっています。

申請受付開始は、11月中旬からの予定です。令和6年4月以降に設置した機器・設備が対象となるため、該当する施設さまはぜひ申請準備を進めてはいかがでしょうか。

【国の補助金】非常用電源の導入で使える国の補助金

防災グッズ

非常用電源の導入を検討する際、国が提供する補助金制度を活用することで、大幅なコスト削減が可能です。

  • BCP実践促進助成金
  • 災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金

「BCP実践促進助成金」は令和7年1月8日(水)9時~15日(水)17時で第3回も申請が控えています。「災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金」は令和6年度の申請受付はすでに終了していますが、補正予算や来年度の実施の可能性もあるため、関連省庁の最新情報を定期的にチェックすることが重要です。

これらの補助金についての詳細は、以下でご紹介します。

BCP実践促進助成金

「BCP実践促進助成金」は、中小企業がBCP(事業継続計画)を策定し、それに基づいて行う防災対策を支援することを目的としています。BCPの実効性を高めるための設備導入や改修工事などへの活用が可能です。

第3回の申請は令和7年1月8日(水)9時~15日(水)17時となっています。

対象BCPを策定し、設備や機器などを導入する中小企業が対象。

BCPを策定した事業者の中でも、以下3つのうちいずれかの要件を満たしている中小企業者、または小規模起業者が対象となります。

・BCP策定支援事業を活用してBCPを策定している(2016年度以前の東京都または公社が実施した支援事業)
・BCP策定支援事業の支援を受けて、受講内容に則ったBCPの策定を実現している
・中小企業強靭化法の『事業継続力強化計画』に認定されているかつ、内容に則ったBCP策定を実現している
補助基準額・10~1,500万円(クラウド化の補助は上限450万円)
・小規模企業者:3分の2以内・中小企業者:2分の1以内
申請期間第1回:令和6年5月13日(月)9時~17日(金)17時
第2回:令和6年9月9日(月)9時~13日(金)17時
第3回:令和7年1月8日(水)9時~15日(水)17時

災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金

「災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金」は、経済産業省の資源エネルギー庁が発表している補助金です。災害時にも事業継続が求められる社会的重要インフラ施設(医療施設、福祭施設、避難所等)の燃料備蓄能力の強化を目的としています。

災害による長期の停電時にも、自家発電設備等を稼働させるために必要な燃料を確保できるよう支援します。

令和6年の申請は終了していますが、補正予算や令和7年の申請の動向に注視しておきたい補助金です。

対象以下の要件を満たす民間団体が対象。
・拠点が日本である・事業遂行のために必要な人員を確保している組織がある
・十分な資金や管理能力があり、本事業を円滑に遂行できる経営基盤がある
・経済産業省から、補助金交付などの停止措置や指名停止措置を受けていない
・採択結果の公表に同意している
補助基準額定額補助:補助率10分の10(間接補助事業者は3分の2、または2分の1)
申請期間令和6年2月14日~3月6日

補助金を活用した非常用電源の導入で災害に備えましょう

災害対策

非常用電源の導入は、災害時の事業継続性を高める重要な取り組みです。本記事でご紹介した補助金を活用することで、導入コストを抑えつつ、効果的に災害対策を進められます。各施設の特性や必要性に応じて最適な非常用電源を選択し、補助金申請を行いましょう。

非常用電源導入の補助金申請は複雑で時間がかかります。また、どのような非常用電源を導入すれば良いか悩んでいるという事業者様もいらっしゃるかもしれません。

スリーベネフィッツ株式会社では、非常用電源導入の補助金申請を代行しているだけでなく、非常時の灯りと電力を確保できる「防災タワーEPB」の導入もサポートしています。

これから非常用電源を導入する方、補助金の申請を行おうと考えている方は、ぜひスリーベネフィッツ株式会社までお気軽にご相談ください。


(参考※1)東京都|社会福祉施設等への非常用電源等の整備促進事業補助金

(参考※2)東京都|社会福祉施設等への非常用電源等整備促進事業補助金交付要綱(高齢分野)

(参考※3)東京都|社会福祉施設等への非常用電源等の整備促進事業補助金交付要綱(障害分野)

(参考※4)東京都|社会福祉施設等への非常用電源等の整備促進事業補助金交付要綱(子供・子育て支援分野)

(参考※5)東京都|社会福祉施設等への非常用電源等の整備促進事業補助金交付要綱(生活福祉分野)

(引用※1)東京都|社会福祉施設等への非常用電源等の整備促進事業補助金