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冷却塔ファンのインバータ化による省エネ・省CO2効果

冷却塔ファンをインバータ化することで吸収冷温水機と冷却塔ファンのダブル省エネ効果が得られた事例をご紹介します。




目次


■冷却塔ファンインバータ化による省エネ効果

冷却塔ファンインバータ化による省エネ効果 = 吸収冷温水機の燃料削減効果 + 冷却塔ファンの電力削減効果


(事例)

対象施設:大学

熱源機 :吸収冷温水機(能力150冷凍トン)

燃料  :都市ガス

運転状況:年間冷房運転(8,500時間/年)

冷却塔ファン:7.5KW×1台

【削減効果】

都市ガス削減量:9,908㎥/年

消費電力削減量:4,776Kwh/年

削減CO2排出量:25.0t-CO2/年

削減光熱費:620,000円/年

【運用方法】

冷却塔ファンのインバータの最低周波数は10Hzに設定

冷却水温度は22℃に設定

32Hz~35Hzの間で冷却塔が共振した為、周波数ジャンプ機能にて回避しました。


■なぜ吸収冷温水機のガス量の削減になる?

吸収冷温水機は冷却水温度が低いほど省エネ運転が可能となります。

一方で冷却水温度が低過ぎても吸収冷温水機内部は過冷却異常で停止してしまいます。

つまり、冷却水温度はなるべく低めで且つ過冷却ではない温度帯をキープさせることで燃料削減が見込めます。


■冷却塔ファンのON、OFF制御だけではダメ?

冷却水の温度制御は冷却塔のON、OFF制御が簡単で一般的です。

しかし、ON、OFF制御のみですと、ファンの回転速度が100%か0%かのどちらかなので、外気が低い冬場などは急激に冷却水温度が下がってしまいます。

よって、設定温度は高めに設定せざるを得ず、吸収冷温水機は省エネ運転となりません。


■冷却塔ファンにインバータ制御を追加するとどうなる?

インバータ制御の場合、目標となる設定温度に向けてファンの回転速度が0%~100%の間を連続的に変化させることが可能となります。

よって、冷却水温度は滑らかに変化し、冷却水温度が安定します。

そうすると過冷却を心配することなく設定を低めに設定できるので、吸収冷温水機は省エネ運転となります。


冷却塔ファンのインバータ制御
冷却塔ファンのインバータ制御


■なぜ冷却塔ファンの電力削減にもなる?

実は、冷却塔ファンにインバータ制御を追加すると冷却塔ファンの運転時間はON、OFF制御のみよりも増えてしまいます。

これはON、OFF制御ならOFFしている状況でも、インバータ制御の場合は低速度でゆっくりファンが回るので当然といえば当然です。

「それでは冷却塔ファンの電力量は、逆に増えてしまうのではないか?」

ファンやポンプ(※)などをインバータで回転速度制御をすると「電力は回転速度の3乗に比例する」という効果があります。

この効果により、仮に運転時間が増えてもそれ以上の電力量削減効果を得られることができます。

(※2乗低減トルク負荷と呼ばれる特性を持つ機器の場合です。ベルトコンベアなど一定トルク負荷の機器はこの法則は成り立ちません。)

例えば、2倍の時間を50%の回転速度で放熱ロス5%として運転した際は、2倍×50%×50%×50%÷95%≒26%となります。

運転時間が倍になったとしても、回転速度が半分になれば電力量は30%弱になります。

(実際は外気湿球温度や放熱量など様々な条件があります。)


■バイパス2方弁制御と冷却塔ファンON、OFF制御の組み合わせは?

冷却塔ファンON、OFF制御と過冷却防止としてバイパス2方弁制御の組み合わせも一般的によく採用されています。この方式でバイパス2方弁の設定温度を低めに設定することで、冷却水温度を低め安定に推移させることは可能で、吸収冷温水機単体では省エネ運転につながります。

しかし、この方法で低め安定の冷却水温度を維持させようとすると、冷却塔ファンは運転させ続けることになります。つまり、吸収冷温水のガス量が減少しても、冷却塔ファンの電力量が増加するという、トレードオフの関係となってしまいます。

吸収冷温水のガス量、冷却塔ファンの電力量の両方を省エネするには、やはりインバータ制御化が効果的です。


■注意点

冷却塔ファンのインバータ化に伴い、いくつかの注意点があります。

  • インバータ制御後に特定の周波数帯で冷却塔本体が共振してしまう時があります。その場合は周波数ジャンプ機能にて回避する必要があります。

  • 夏場など外気の湿球温度が高い状況では、いくらファンが回っても冷却水温度が下がらない状況が発生します。つまり、夏場しか稼働しない冷却塔ファンに対してインバータ化を行っても、省エネ効果はあまり見込めない可能性があります。中間期や冬場に省エネ効果が発揮されます。

  • 冬場は最低周波数で運転しても、状況によっては過冷却になる可能性があります。その場合は外気温度に応じて目標設定温度を自動で変化させるなどの回避策が必要です。

 

ファン、ポンプ等のインバータ制御化による省エネをご検討の方はお気軽にご相談ください。