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【東京都】省エネ・再エネ設備の導入や運用改善 助成金情報【2025年版】

※2025年6月9日現在、東京都における「令和6年度補正予算」または「令和7年度新規予算」最新の補助金情報です。

東京都では、2050年のCO2排出実質ゼロに向けて、事業者による省エネ設備の導入や運用改善、再エネ設備・蓄電池の活用を後押しするための助成制度を拡充しています。

本記事では、令和7年度に実施される「ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業」および「地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業」について、対象事業や申請の流れ、助成額の目安、注意点までを丁寧に解説します。

助成金の活用を検討している中小企業や法人のご担当者は、ぜひ参考にしてください。

ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業

都内の温室効果ガスの約90%を占めるエネルギー起源CO2のうち、業務・産業部門からの排出が約半分を占め、その約6割が中小規模事業所によるものとされ、省エネ設備の導入や運用改善の支援が重要な課題とされています。

ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業の目的は、東京都内の中小規模事業所における省エネと低炭素化を推進し「2050年CO2排出実質ゼロ(ゼロエミッション東京)」の実現に貢献することです。

本助成金は「ゼロエミッション化」に向けた省エネ設備の導入・運用改善の実践にかかる経費の一部を補助する事業となっています。

令和7年度の事業概要

ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業は、中小企業等の省エネルギー化を推進するための省エネ設備の導入及び運用改善を実践する事業が対象となる助成金です。

概要は、次のとおりです。

詳細
事業の実施年度令和5年度から7年度まで(助成金の交付は令和8年度まで)
予算令和7年度 86.7億円
対象事業者(主な要件)(1)都内で中小規模事業所(※1)を所有又は使用している中小企業者等(・中小企業者(※2) ・個人事業主 ・学校法人・社団(財団)法人 ・医療法人・社会福祉法人 等)
(2)(1)と共同で事業を実施するリース事業者又はESCO事業者

(※1)中小規模事業所とは
原油換算エネルギー使用量が年間1,500kL未満の事業所等。延床面積3万㎡程度未満、年間光熱費1億円程度未満を目安とする。

(※2)中小企業者とは
本事業における中小企業者とは、次のいずれかに該当するもの。
・中小企業基本法(昭和 38 年法律第 154 号)第2条第1項に規定する中小企業者
・中小企業団体の組織に関する法律(昭和 32 年法律第 185 号)第3条第1項に規定する協業組合
・中小企業等協同組合法(昭和 24 年法律第 181 号)第3条に規定する企業組合

対象となる設備・経費

ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業の対象となる省エネ設備や運用改善実践、経費は、次のとおりです。

詳細
対象設備省エネ設備導入助成対象設備の導入等に必要な経費
【例】高効率空調設備、全熱交換器、LED 照明設備、高効率ボイラー、高効率変圧器 等
※ クレジット算定ガイドラインに定める都内中小クレジットの対象となる削減対策項目に該当する設備
運用改善実践省エネ設備を適切に運転し、エネルギーロスを抑制するのに必要な経費
【例】人感センサー等の導入、照明スイッチ細分化工事などの運用改善。
対象経費①設計費:助成対象設備の導入等に係る設計に必要な経費
②設備費:助成対象設備の導入等に係る購入、製造、据付等に必要な経費事業実施に必要不可欠な付属機器
③工事費:助成対象事業の実施に不可欠な配管、配電等の工事に必要な経費
※上記経費にかかる消費税相当額は助成対象額外。

次の表にあるような経費は、対象外となると明確に記載されています。

詳細
対象とならない経費①設計費:本事業と直接関係のない設計費用
②設備費:計測機器又は装置、必要不可欠でない付属機器等
③工事費:安全対策費、土地の取得・賃貸・管理等に要する費用、道路使用許可申請費用、既存設備等の撤去・処分に必要な経費
④諸経費:公社に提出する申請書類等の作成費用、各種保険、保証料等
※省エネ設備の導入においては、設備の「更新」が要件となるので、既存設備等の撤去工事費用は必ず見積書に記載すること。

主な助成要件

ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業の主な助成要件は、次のとおりです。

助成要件(主な要件を抜粋)
1.中小企業等が都内で所有又は使用する中小規模事業所において、以下のいずれかを行うこと。
(1) 更新前と比較し、28t-CO2以上削減可能な省エネ設備の導入または運用改善を実践すること。
(2) 事前に省エネ診断(※3)を受診し、省エネ設備の導入または運用改善を実践すること。
(3) 事業者が自ら計画を作成し、省エネ効果の確認ができる設備の導入または運用改善の実践を行うこと。
2.上記1を実施する事業所にて「地球温暖化対策報告書」を提出すること。

(※3)省エネ診断とは
東京都が実施する「事業所の省エネ診断」および「省エネコンサルティング事業」をさします。認定された診断員が事業所を訪問し、エネルギー使用量や室内環境を確認したうえで、省エネ機器の導入や照明の間引きなどの具体的な対策を提案し、節約できるエネルギー費用を診断書にまとめて提供する取り組みです。

上限額・助成率

助成金の上限額や助成率は、条件により異なります。3つの条件とその上限額・助成率は、次のとおりです。

条件上限額助成率
年間 CO2 排出量を更新前より28t-CO2以上削減4,500 万円4分の3
事前に受診した省エネ診断の提案に基づき、年間 CO2排出量を更新前より3t-CO2 又は 30%以上削減2,500 万円3分の2
助成対象事業者が自ら計画を作成し、年間 CO2 排出量を更新前より 3t-CO2 又は 30%以上削減1,000 万円3分の2

令和7年度の変更点

ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業では、令和7年度の運用で大きく次の2点が変更されました。

①助成対象事業の要件が変更
省エネ設備の導入や運用改善によって、年間のCO2排出量が「3トン以上」または「30%以上」削減できる場合に、助成金の対象となりました。

②「省エネ計算シート」に新しいシートが追加
助成対象事業の要件変更にあわせて、年間のCO2削減量や削減率を計算・確認できる「CO2削減効果」シートが、「省エネ計算シート」に追加されました。交付申請の際は、必ず最新版の省エネ計算シートを利用しましょう。

申請スケジュール

申請スケジュールは、次のとおりに公表されています。

受付期間
第1回令和7年4月23日(水)9時~令和7年5月9日(金)17時※終了
第2回令和7年6月16日(月)9時~ 令和7年6月27日(金)17時
第3回令和7年9月1日(月)9時~ 令和7年9月12日(金)17時
第4回令和7年11月10日(月)9時~ 令和7年11月21日(金)17時
第5回令和8年1月19日(月)9時~ 令和8年1月30日(金)17時

日程だけでなく開始・終了時間まで厳密に指定されています。特に、終了日時は必着となっており、過ぎると無効となり受付されないため、注意が必要です。

手続き方法

申請方法は、原則として電子申請となっています。メール申請や郵送申請を希望する場合には、別途問い合わせフォームより相談が必要です。

申請における注意点は、次のとおりです。

  • 受付は先着順ではありません。
  • 交付申請のフォームを開いてから72時間以内に申請を完了する必要があります。申請書類すべてを揃えた状態で、申請フォームの入力を始めるようにしてください。
  • 1つのブラウザで同時に1事業所までしか申請できません。複数事業所を申請の場合は、1か所の事業所の入力が完了次第、次の事業所の申請を行いましょう。

また、各回の締切時刻の間際は、申請手続きが集中することが予想されます。アクセスが集中して申請がなかなか進まないような場合でも時間厳守となるため、早めに申請できるようにしましょう。

申請の流れ

助成金の申請から交付までの大まかな流れは、次のとおりです。

【助成金申請の流れ】※黄色:申請者が実施、グレー:公社が実施の内容。

交付申請書の提出
必要な書類を整え、原則電子申請で助成金の交付申請を行います。

交付決定
申請内容を審査のうえ、要件を満たす場合は交付決定通知が発行されます。

工事契約~完了
交付決定後に、対象となる省エネ設備の導入工事などを契約・実施します。

完了届の提出
省エネ設備の導入・運用改善の実践などが完了したら
完了報告書や実績に関する書類を提出します。

現地調査
現地での確認調査が行われ、申請内容との整合性が確認されます。

助成金額決定・交付
完了内容と現地調査の結果を踏まえ
最終的な助成金額が決定され、指定口座に交付されます。

交付申請から交付決定までは、通常おおむね2か月程度かかります。ただし、審査の状況や申請件数、その他の要因によって期間が前後する場合があります。

「工事費実質0円」などを謳う営業活動への注意情報が出ています

「助成金の一部をキャッシュバックするので、自己負担はありません」といった営業電話や案内があったとの情報が寄せられているようです。

ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業では、助成対象の4分の3または3分の2までしか支給されず、残りの金額は申請者自身の負担となります。

また、助成金を使ってキャッシュバックを行うなどの行為は不正や虚偽にあたる可能性があり、申請内容の確認を行う場合があります。

不正虚偽などに問われないためにも、工事や申請の代行、省エネ診断などをおこなう際には、必ず信頼できる業者に委託できるようにしましょう。

地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業(都内設置・蓄電池単独設置)

地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業(都内設置・蓄電池単独設置)は、東京都内で再生可能エネルギーを活用した地産地消型の発電設備や熱利用設備、または蓄電池を単独で設置する事業者に対して、設置にかかる費用の一部を支援する助成金事業です。

地産地消型とは、地域内でエネルギーをつくり、地域内で使用する仕組みのことです。このような取り組みを推進することで、温室効果ガスの排出削減や、電力系統への負荷軽減を図ることが期待されています。

地域での持続可能なエネルギー活用を後押しし、東京都が掲げる「2050年CO2排出実質ゼロ」の実現への貢献が大きな目的です。

令和7年度の事業概要

地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業(都内設置・蓄電池単独設置)の助成金事業の概要は、次のとおりです。

詳細
事業の実施年度令和6年度から9年度まで(助成金の申請は令和8年度まで)
予算令和7年度91.3億円
対象事業者民間事業者(民間企業、個人事業主、学校法人、財団法人、社団法人、医療法人、社会福祉法人 等)
※国や地方公共団体は、助成金交付の対象外です。
※対象事業者の本社など所在地は、都内以外でも問題ありません。ただし、助成の対象となる設備を設置する場所や、その電気や熱を実際に使う施設は、東京都内に限定されます。

対象となる事業

助成の対象となる事業は「都内設置」「蓄電池単独設置」「地域活性化につながる再エネ設備」の3つです。

それぞれの詳細は、次のとおりです。

詳細
都内設置再エネ設備を都内に設置し、設備から得られたエネルギーを都内の施設で消費する事業
蓄電池単独設置都内の施設に蓄電池を設置する事業
地域活性化につながる再エネ設備地域活性化につながる再エネ設備を都内に設置し、都内の施設で消費する事業

対象となる設備・経費

助成対象設備は、どのような再生可能エネルギー発電設備かによって、対象となる設備の内容が異なります。

再生可能エネルギーの種類と主な対象設備は、次のとおりです。

主な対象設備
都内設置発電等設備【発電設備】太陽光発電、風力発電、地熱発電 等
【熱利用設備】太陽熱利用、地中熱利用、バイオマス熱利用 等
熱利用設備
蓄電池単独設置単独で設置する蓄電池
(既設の再エネ発電設備に併設する場合も含む、リユース品により構成された製品も対象)
地域活性化につながる再エネ設備営農型太陽光発電、バイオマス発電、蓄電池(リユース品により構成された製品も対象)
※地産地消型再生可能エネルギー発電等設備、再生可能エネルギー熱利用設備によって、それぞれ共通する詳細な要件あり

また、助成対象経費は「設計費」「設備費」「工事費」となっており、主な対象経費は次のとおりです。

対象経費
設計費機械装置等の設計費(事前調査費を含む) 等
設備費機械装置等の購入、製造、据付け等に必要な経費 等
(土地の取得及び賃借料等を除く。)
工事費配管、配電等、事業の実施に必要不可欠な工事 等

助成対象の事業を行うために直接必要であり、最低限必要な経費が対象となります。

主な助成要件

地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業(都内設置・蓄電池単独設置)の助成要件は「都内設置」「蓄電池単独設置」「地域活性化につながる再エネ設備」の事業ごとに異なります。

それぞれの主な助成要件は、次のとおりです。

都内設置(再エネ発電設備)
主な助成要件<地産地消型再生可能エネルギー発電等設備>
・FIT制度又はFIP制度の認定を受けない自家消費を主たる目的とした設備であること
・年間発電量が、需要先の年間消費電力量の範囲内であること 等
<地産地消型再生可能エネルギー熱利用設備>
・再生可能エネルギー熱利用設備の場合、年間発熱量が供給先施設の年間消費熱量の範囲内であること
・太陽熱利用の場合、集熱器総面積が10㎡以上であること 等
蓄電池単独設置
主な助成要件・FIT制度又はFIP制度の認定を受けている設備に併設するものでないこと
・蓄電池がすでに設置されている施設に蓄電池を増設する事業でないこと
・蓄電池は定置用であり、可搬式は不可 等
地域活性化につながる再エネ設備
主な助成要件・FIT制度又はFIP制度の認定を受けない自家消費を主たる目的とした設備であること
・再エネ設置地域との関係構築を行うこと
・年間発電量が、需要先施設の年間消費電力量の範囲内であること
・営農型太陽光発電を設置する場合は一時転用許可を取得すること
・バイオマス発電の場合は、バイオマス依存率のうち、再エネ設置地域から発生した廃材等が60%以上であること 等

上限額・助成率

助成金の額や助成率については、助成対象事業者や対象設備の種別により異なります。事業者・対象設備の種別による助成率と上限額は、次のとおりです。

都内設置(再エネ発電設備)
事業者の種別助成率上限額
民間事業者、中小企業など(※4)2/3以内2億円
そのほか1/2以内
都内設置(再エネ熱利用設備)(再エネ発電設備同時設置)
事業者の種別助成率上限額
民間事業者、中小企業など(※4)3/4以内2億円
そのほか2/3以内
蓄電池単独設置
事業者の種別助成率上限額
民間事業者、中小企業など(※4)3/4以内900万円
そのほか2/3以内800万円
地域活性化につながる再エネ設備
事業者の種別助成率上限額
中小企業など(※4)3/4以内2億円
そのほか民間事業者2/3以内

(※4)中小企業、個人事業主、学校法人、公益財団法人、医療法人、社会福祉法人、協同組合などが対象(それぞれ、中小企業基本法や独立行政法人通則法などに基づく)

申請スケジュール

令和7年度の交付申請の締切は、次のとおりです。

受付期間
令和7年度令和7年4月1日(火)9時~令和8年3月31日(火)17時まで

また、申請受付期間に限らず、予算額に達し次第受付が終了となります。申請をお考えの事業者様は、早めに申請できるよう準備を進めることがおすすめです。

手続き方法

電子申請を用いて申請します。申請における注意点は、次のとおりです。

  • 申請の一時保存で、翌日以降でも編集が可能です。ただし、交付申請のフォームを開いてから72時間以内に申請を完了する必要があります。一時保存を用いた場合でも、時間内に申請しましょう。
  • 複数事業所を申請する場合は、1か所の事業所の入力を完了させてください。一時保存の状態でほか事業所の申請を始めると、以前の保存データが消える可能性があります。

電子申請の方法がわからなくても、対面や電話でのやり取りは原則として不可となっています。不明点がある場合、画面キャプチャのうえ、問い合わせフォームから連絡が必要です。

申請に不安がある場合には、申請代行業者などの活用も検討してみてはいかがでしょうか。

申請の流れ

助成金の申請から交付までの大まかな流れは、次のとおりです。

【助成金申請の流れ】※黄色:申請者が実施、グレー:公社が実施の内容。

交付申請書の提出
申請に必要な書類をそろえ、原則として電子申請で交付申請を行います。

受理~交付決定
提出された申請内容が要件を満たしているか審査され
問題がなければ助成金の交付が決定されます。

工事契約~完了
交付決定後に対象となる設備の設置工事を契約し、実施します。
工事完了後は証明書類の準備も必要です。

実績報告
工事が完了したことを証明するために
領収書や写真などの実績報告書類を提出します。

審査
実績報告の内容が適正であるかどうか、公社が確認・審査を行います。

助成金額決定・交付
審査結果にもとづき最終的な助成金額が決定され、指定口座に交付されます。

申請書の内容に不備があると、申請を受理できません。記載漏れや添付書類の不足がないよう、提出前に必ず確認してください。


スリーベネフィッツ株式会社は助成金や補助金の代行を行っています。
ぜひお気軽にご相談ください。

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